高校転入という言葉をご存じの方はまだまだ少ないのではないでしょうか。高校は、義務教育でなくても、課程の途中で通う高校を変更することができます。
希望する高校に入学したものの、いざ通学してみると、希望していたような校風や授業内容ではなかったと気付くこともあります。また、親の転勤などの事情や、いじめ問題などで違う高校に通いたいといったこともあるでしょう。そんな時は、次年度の受験で次の高校をあらためて受験することが必ずしも必要という訳ではなく、別の高校に転入することも可能です。転入とは、よく使われている「転校」と同じ意味です。
転入とは違い、一旦高校を退学してから、新たに受験するなどの方法で違う学校に入り直すのが、「編入学」です。こちらは、一度学校をやめる形になるため、タイミングにもよりますが次の学校に入るまでの間に空白の期間ができることも多く、同学年の生徒たちと卒業の時期がずれてしまう可能性もあります。そのため、通う高校を替えたい場合には、在籍中に転入を考えたほうがよいでしょう。
高校転入は、「学年制」をとっている高校が多いため、2年次、3年次といった年度替わりのタイミングに合わせて転入することが多いでしょう。
また、最近では「単位制」を取っている高校もあります。これは、高校1年生であれば、4月の入学から3月まで学校に通い、1年生の全課程を終えるまでは、「1学年の課程を終了した」という単位を、次の学校へ引き継ぐことができませんでした。しかし最近は、年度の途中であっても今まで通って習得してきた単位を引き継ぐことが可能です。
これは昭和63年度から定時制や通信制の高校で導入されていましたが、平成5年度より全日制の高校でも「単位制」が可能となりました。現在では、全日制の高校も「単位制」をとっている高校が増えてきています。
単位制をとっている高校によっては、「クラスや学年がない」といったところもあります。そのほか、単位の取得に重きを置くところや、生徒がそれぞれ自由に科目を選択するといった制度を取っているところも出てきています。これから高校受験を控えている場合には、多くの情報を入手してみることがおすすめです。