オーケストラのオーディション|オーディションをお考えの方へ

オーケストラのオーディションは大変厳しいです

音楽が好きな方、ましてや音楽大学を卒業した方なら、音楽の仕事をしたいと夢見るものです。音楽関連の仕事はミュージシャンから作詞作曲家、音楽講師、音響スタッフ、プログラマーなどさまざまありますが、夢見る職業としてあげられるのがミュージシャンです。狭き門にはなりますが、プロのオーケストラの演奏家になりたいと考える方も多いです。しかし、オーケストラにはなかなか空きがなく、自分の演奏する楽器に限ってしまえばもっと厳しいものになります。バイオリンなどの大勢ポジションがある楽器はまだしも、フルートなどの少人数の楽器になれば、めったに空くことがないのが現状です。そんな中で、数少ないチャンスを得てプロのオーケストラ演奏家になるためには、オーディションを受けることが必須です。何度もオーディションを受け、舞台経験やコネクションを作っていくことが大切です。

コンクールでの入賞経験は、プロとして活動するきっかけとして大きいものがあります。国際コンクールであれば、オーケストラのほうから来てほしいとスカウトがあることもあります。しかし、並大抵のことではコンクール入賞はできず、ましてや国際コンクールとなれば、予選ですらなかなか出られないというのが現実です。国際コンクールでの入賞者レベルであれば、コンサートマスターとしてのオファーがあるかもしれません。

プロオーケストラになるためには、やはり地道にオーディションを受け続けることになります。オーディションでは、協奏曲とオーケストラスタディを演奏するという内容です。協奏曲ではその楽器のソロ部分を演奏し、1人3分から5分ほどのアピールをします。協奏曲は大学受験時やコンクール出場のために準備をしている方が大半で、演奏しなれていることが多いです。一方、オーケストラスタディですが、こちらはオーケストラの中から抜粋した自分のパート部分を1人で演奏することで、オーケストラの全体の中での演奏を意識した演奏をすることが求められます。オーケストラ入団のために勉強する特殊な内容なので、短い時間の演奏でどこまで自分をアピールでききるか、とても難しいものです。プロオーケストラのオーディションですので、どんなに協奏曲が上手くても、オーケストラスタディが上手くなければ合格することはありません。演奏する楽器によっても違いますが、大方課題曲は決まっており、その中でスコアをどのように分析しているか、拍を感じながら演奏しているかなどを考えながら演奏することが大切です。

オーディションは各地域で行われていますが、その情報はあまり多くありません。できるだけアンテナを張り巡らし、SNSなどを通じて情報を得られるようにしておく必要があります。オーケストラのオーディションでは、審査員1人一票、マルかバツかの票を持ち、過半数を獲得した人が合格するというスタイルが大半です。演奏順は当日くじ引きなどによって決められ、勝者が1人決定するまでの勝ち抜き制度となります。応募人数によっては2日間におよぶこともあります。予選突破できるのは20人に1人程の確率でとても厳しいオーディションです。全員が合格点に達する事ができず、オーディション自体が打ち切られてしまうこともあります。求められるのはただ演奏技術のみという清い審査で、最後に通過できるのは1位のみなので、コンクールと違って2位以下にはなんの意味もないという厳しさがあります。少しのミスも許されないような空気があり、演奏できるわずかな時間のアピールしかできないので、しっかりと準備をしておく必要があります。ヨーロッパでは招待状方式がとられており、履歴書の時点で数をしぼり、招待状を手に入れた人だけがオーディションを受けられるという方法をとっています。また大方一時審査や2次審査ではカーテンの向こう側で誰が演奏しているのかわからないようになっており、最終決戦の場でようやく音楽家として名前を呼んでもらえるという実力ありきの世界です。